豆腐の角に頭をぶつけて死ぬ方法
注意:実行しないでください。殺人罪に問われます。
いきなり刺激的なタイトルで申し訳ない。
それにしてもどこの誰が最初に、豆腐の角に頭をぶつけて死ね
なんて言い出したんだろうな。
そもそも豆腐なんて構成物質のほとんどは水。
豆腐が豆腐足りえるのは、豆乳の中のたんぱく質の端とマグネシウムや
カルシウムなどの二価イオンが結合するためであるが、その間には
当然大量の水が含まれている。
にがりとして塩化マグネシウムや塩化カルシウムなどのほかに、
グルコノラクトンや硫酸カルシウムなんてのも使われる。
でこいつら加えると、pHが変わって等電点沈殿起こしてたんぱく質が
凝集、そんで豆腐になると。
原理から言えば実は牛乳でもおんなじことが出来ると。
さて、豆腐の角に頭をぶつけて死ぬにはどうしたら良いものか。
もちろん普通に豆腐を頭にぶつけても、頭の方が豆腐に勝ってしまう。
そりゃまあ頭には頭蓋骨があって、豆腐の硬度を上回るんだからな。
それどころか大量の豆腐に突っ込んだとしても、頭ぶつけて死ぬどころか
ショックアブゾーバーになって助けてくれる優しさ。
…ダメじゃん。豆腐の角で頭をぶつけて死ぬなんて無理。
んが、しかし。
豆腐の中の水分はもちろん、超低温では凍結する。
OK.だったらカチンコチンに凍らせてしまえばどうだ!
…待てよ?
氷と凍らせた豆腐ってどっちが硬いんだ?
豆腐の方が不純物が含まれてるからもろくなってしまう…。
ダメだ、超低温にしても氷で頭ぶつけて死ぬ方が簡単だ。
いや待て、普通豆腐を凍らせて乾燥させたらどうなる?
…高野豆腐。
そう、一回凍らせて乾燥させた高野豆腐を水につけ戻す。
そしてこれを超低温で凍結!これならいけるはずだ!
…でもこれ高野豆腐の角で頭ぶつけて死んでるよな。
うーん。待て待て待て。
豆腐の主成分はたんぱく質、つまり加熱すると凝固する。
加熱してたんぱく質を変性させた豆腐を超低温で凍結させれば!
これだ!
これなら豆腐の角で頭ぶつけて死ねる!
やった!よくやった俺!感動した!
…だからそこまでやって何のために。
恐怖の利用法、それは殺人用の道具。
豆腐を使って人を殺すとしたら、証拠隠滅のため食べてしまえばいい。
おそるべし豆腐殺人事件。
…それでも思うんだ。
豆腐より氷の柱かなんかでぶっ叩いてそれを海に放り込んでしまえば良いのではと。
豆腐で人を殺すメリットなんて何にも無いし。
あ、屈辱だけは与えられるな。
「あいつマジに豆腐の角で頭ぶつけて死んだんだって」
「うっわだっせー」
たださ、ここまで加工を加えたものって豆腐って言って良いのか?
さっきの豆腐で殺しをやってみたとする。
何とか殺せた。
「しかし手が冷たいなあ…」
焼き豆腐を超低温で凍らせたこいつを持ってると凍傷になる。
とりあえず容器に入れ、解けるのを待つ。
別の鍋を火にかけ昆布をいれ、出汁をとる。
野菜とか入れて煮る。
さてそろそろさっきの豆腐も溶けてきた。
そろそろ適当に切って鍋に入れる。
切るとき奇妙な感覚がしたが気にしないことにする。
十分火が通ったのでポン酢で食べることにしよう。
「まずっ!」
なんじゃこりゃ?
豆腐がスカスカで味がしないし、おまけに妙に硬い。
変な弾力があるし。こんなの豆腐じゃねぇ!
…豆腐で人を殺すことは出来る。
だが人を殺したあとの豆腐はもはや豆腐じゃないんだ。
正直自首したくなる味、それが豆腐の角で頭をぶつけて殺人の
豆腐の味だったとさ。
てぇか凍らせてビルの上から落とすって手もあるな。
山形県西川地方に伝わる六淨(六条?六畳?)豆腐でも殺せそうだ。
…豆腐の角で頭をぶつけて死ぬのは結構簡単らしい。